2013年11月30日開催 NSFF 福岡県直方市須崎町映画祭

林芙美子が創作と映画に出逢ったまち 福岡県直方市須崎町商店街

戻る 進む

9. 小津、溝口、黒澤、そして成瀬巳喜男

 

 その「日本映画黄金期」を支えた名匠と呼ばれる監督のひとりに 、成瀬巳喜男(なるせみきお)がいます。
  海外の映画賞受賞経験のない「成瀬」の名は、1983年にロカルノ国際映画祭(スイス)で大回顧展が開かれたことをきっかけに、一躍世界に知られることになりました。
 1998年にサン・セバスティアン国際映画祭(スペイン)にて成瀬巳喜男特集、2001年にはフランスの国立映画図書館ともいえるシネマテーク・フランセーズにてレトロスペクティヴが開催され、フランス映画誌『カイエ・デュ・シネマ』は成瀬巳喜男を、小津安二郎 、溝口健二、 黒澤明に次ぐ日本の「第4の巨匠」と讃えました。
 2005年には生誕100周年記念として東京国立近代美術館フィルムセンターにて全61本のレトロスペクティヴが開催され、それに続いて2006年パリ日本文化会館にて開催された「成瀬─日本映画4人目の巨匠(Naruse: le quatrième grand du cinéma japonais)」と銘打ったレトロスペクティヴも大きな成功を収めたと伝えられています(※1)。
 映画評論で名高い元東京大学総長、蓮實重彦氏に至っては、例えば2005年に青山ブックセンターの企画『蓮實重彦とことん日本映画を語る』の第11回目として、「成瀬巳喜男は世界一だ」と題して講義をしているほどです。
  こうした例を挙げるまでもなく、日本映画の四大巨匠として、 小津安二郎溝口健二黒澤明、と並び、海外の映画賞受賞者には名を連ねていないにもかかわらず、おおかたの場合、成瀬巳喜男の名が挙げられています。
  小津安二郎監督の「オレにできないシャシンは溝口の『祇園の姉妹』と成瀬の『浮雲』だ」との言葉はあまりにも有名。黒澤明監督が最も尊敬する先輩監督として成瀬巳喜男監督の名を挙げていたとする証言も多数残されています。


■ 成瀬巳喜男 wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/ 成瀬巳喜男
■ 小津安二郎 wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/小津安二郎
■ 溝口健二 wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/溝口健二
■ 黒澤明 wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/黒澤明

■ ロカルノ映画祭
http://ja.wikipedia.org/wiki/ロカルノ映画祭
■ サン・セバスティアン国際映画祭
http://ja.wikipedia.org/wiki/サン・セバスティアン国際映画祭
■ シネマテーク・フランセーズ
http://ja.wikipedia.org/wiki/シネマテーク・フランセーズ
■ カイエ・デュ・シネマ
http://ja.wikipedia.org/wiki/カイエ・デュ・シネマ
■ 東京国立近代美術館フィルムセンター
http://p.tl/h6Es
■ パリ日本文化会館
http://ja.wikipedia.org/wiki/パリ日本文化会館

■ 蓮實重彦
http://ja.wikipedia.org/wiki/蓮實重彦

※1 2006年、フランスにおける成瀬巳喜男の現在 - flowerwild
http://www.flowerwild.net/2007/02/2007-02-03_141237.php